【バレンタイン特別短編】棚の上の恋

一目惚れ





あの日以来、私は蜜柑の香りの持ち主を探すために毎日図書館に通いつめた。


ある日には朝に、またある日には閉館ギリギリに、時には休みを使って1日中いたこともあった。





ところがそんな努力も虚しく、あの日から早くも1ヶ月がたとうとしている。




毎日通う中で、ごく稀に、あの蜜柑の香りだけは発見することが出来た。


それでも肝心の香りの持ち主はなかなか見つけられず、私の会いたいという気持ちは日々増大していく一方だった。








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