Dream 『気づけば、恋してたよ』

熱い…… 喉が焼けるみたい……

今、寝てられないんだってば……

もう…… 泣ける、誰か助けてよ……



『 ……大丈夫だよ 』



……誰?



『 俺? 俺は祐希治(ユキジ)君は泣き虫さんだね 』



……祐希治?




私は眠りの中で目を覚ました。

夢だとは、気づかずに……



「 ちょっと、どうやって部屋に入ったの!叫ぶよっ 」

『 叫ぶ? 無理だよ、君は今喉を痛めてるからね 』

「 だから? 警察なら呼べるから 」

『 無理だよ、俺は君に呼ばれて来たから 』



祐希治… 彼は私が呼んだから来たと言った。

でも知らない人を呼ぶほど気は狂ってない。

ただ不思議なのは、祐希治を怖いと思ってない事だ。



『 ねぇ、今だけ勉強を忘れようか 』



受験生の私にそう言って、祐希治は手で何かを払うかのような仕草をした。



< 2 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop