Dream 『気づけば、恋してたよ』
熱い…… 喉が焼けるみたい……
今、寝てられないんだってば……
もう…… 泣ける、誰か助けてよ……
『 ……大丈夫だよ 』
……誰?
『 俺? 俺は祐希治(ユキジ)君は泣き虫さんだね 』
……祐希治?
私は眠りの中で目を覚ました。
夢だとは、気づかずに……
「 ちょっと、どうやって部屋に入ったの!叫ぶよっ 」
『 叫ぶ? 無理だよ、君は今喉を痛めてるからね 』
「 だから? 警察なら呼べるから 」
『 無理だよ、俺は君に呼ばれて来たから 』
祐希治… 彼は私が呼んだから来たと言った。
でも知らない人を呼ぶほど気は狂ってない。
ただ不思議なのは、祐希治を怖いと思ってない事だ。
『 ねぇ、今だけ勉強を忘れようか 』
受験生の私にそう言って、祐希治は手で何かを払うかのような仕草をした。