Dream 『気づけば、恋してたよ』
祐希治が消えて行く前に、私の額に触れるキスをしていった。
彼に手を伸ばし引き留めようとしてるのに、彼はどこかへ行ってしまった。
そして私は目覚めた。
「 あ、起きた? もう夕方よ、お粥食べれる?」
あれ…… 体が軽い。
「 お母さん、私…… 」
「 熱なら下がってるから、大丈夫よ 」
すごく不思議な夢を見たんだけど……
夢、だった?
おでこに手をあててみた。
「 熱ないから、心配しなくても大丈夫 」
そうじゃなくて……
不思議だけどリアルな感じが……
あれは、確かにキスだったような気がする。
でも何だろ… 頭まで軽くなってる。
机を見れば散らかったままの参考書がある。
うろ覚えな夢の記憶。
そのまま、また私の時間が動きだした。
“ 会えたら…呼んで…… ”
不意に頭の中に浮かぶ誰かの優しい笑みのある顔。
誰?
あの夢の人は誰だった?