血まみれ椿姫
見舞い
8月上旬。
夜になっても昼間の熱さが残っていて、アスファルトから蒸し熱い熱気が立ち上っていた。
空には丸い月が浮かんでいて、周囲は明るい。
コンビニの袋を下げた17、8歳くらいの少女が鼻歌を歌いながら歩道を歩いていた。
自分の家まで後少し。
少女の足取りは軽い。
夏休み中ということもあって、周りの家はまだまばらに電気が付いている。
みんな長い休みを満喫しているようだ。
ふと、少女の鼻歌が止まり、何かを確認するように周囲を見回した。
辺りには見慣れた風景が広がるばかり。
少女はまた鼻歌を歌い始める。
しかし、それもすぐに止まった。
「椿のように散って死ね」
どこからかそんな声が聞こえてきた気がして、少女は立ち止まる。
途端に気味の悪さが体中を賭けめぐり、走り出そうとコンビニの袋を握り直した。
……だが、遅かった。
夜になっても昼間の熱さが残っていて、アスファルトから蒸し熱い熱気が立ち上っていた。
空には丸い月が浮かんでいて、周囲は明るい。
コンビニの袋を下げた17、8歳くらいの少女が鼻歌を歌いながら歩道を歩いていた。
自分の家まで後少し。
少女の足取りは軽い。
夏休み中ということもあって、周りの家はまだまばらに電気が付いている。
みんな長い休みを満喫しているようだ。
ふと、少女の鼻歌が止まり、何かを確認するように周囲を見回した。
辺りには見慣れた風景が広がるばかり。
少女はまた鼻歌を歌い始める。
しかし、それもすぐに止まった。
「椿のように散って死ね」
どこからかそんな声が聞こえてきた気がして、少女は立ち止まる。
途端に気味の悪さが体中を賭けめぐり、走り出そうとコンビニの袋を握り直した。
……だが、遅かった。
< 1 / 228 >