血まみれ椿姫
準備されていたバスに乗り込むと、車内は信じられないほどに静かだった。


会館までの道のりで先生は葬儀の注意事項などを説明していたが、誰も何も反応をみせなかった。


きっと、みんな同じ気持ちなんだろう。


先生の口から生徒が亡くなったと聞くよりも、実際に自分の目で見る事がどれほど衝撃的なのか、わかっているからだ。


俺は窓の外を見つめた。


外は晴れていて、雲一つない。


窓に映った自分の顔を見ると随分やつれたひどい顔をしていて、思わず頬に手を当てていた。


風花の死は、それほどまで大きい。


ひどい気分でバスに揺られていると、今回利用される会館が見えて来た。


会館の外には警備員が1人と、喪服姿の男女が何人か見える。


風花の親族だろう。


その中に、新宮高校の制服を着ている人間を見つけて俺は身を乗り出した。


「城……？」
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