血まみれ椿姫
今日見た記事を思い出すと、その線が有力な気がしてくる。


そうこう考えているうちにタクシーは《椿ホーム》の前で止まった。


いつもお見舞いに来ているホームが、今日はどこか異質な建物に見える。


真っ白で綺麗な壁も、過去の出来事を覆い隠すものに見えた。


俺は運転手に代金を支払い、タクシーを下りた。


広い玄関まで行くと、一匹のタヌキがいるのが見た。


灰色の毛をしたタヌキは俺に気が付、すばやい動きで走って逃げて行ってしまった。


まだタヌキなんていたんだな。
< 182 / 228 >

この作品をシェア

pagetop