血まみれ椿姫
「そうなんですか?」


「たぶんね。この森は子供の頃何度か遊びに来た事があるの。小さな森になってか
ら迷子になる事もなくなって、子供たちだけでも入らせてもらってた」


先輩が森で遊ぶなんて以外だな。


そう思いながら周囲を見回す。


「遊んでいる時に祠を見かけませんでしたか?」


城が聞くと、先輩は何度も頷いた。


「あったよ。小さな祠だけれど、子供の頃は怖かったのを覚えてるよ」


「それってどのあたりに……」


そこまで言い、城に肩をたたかれて俺は口を閉じた。


「あれだ……」


城が森の中を指差す。


一瞬どこに祠があるのかわからなかった。
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