血まみれ椿姫

☆☆☆

しめやかに葬儀が行われている最中、俺たちの知らないところで子供たちが遊んでいた。


そこは小さな森で、子供たちが入り込んでも迷ったりはしない場所だった。


自分たちの親がおじいちゃんやおばあちゃんのお見舞いをしている間、子供たちは森で時間を潰していたのだ。


「なぁ見ろよこれ！」


1人の男の子が森の中腹に立っている祠に気が付き、駆け寄って行った。


「なにそれ？」


「見て見ろよお札が貼ってあるぜ！」


次々と集まって来る子供たち。


子供たちは《椿森》の呪いを知らなかった。


「お札もボロボロじゃん！　はがしてやろうぜ！」


少年がそう言い、今までしっかりと張られていたお札に手をかけた……。