血まみれ椿姫
先輩
「昨日は午後から綾菜とプールに行ったの」
そんな声が聞こえて来たのは放課後だった。
視線を移動させるとそこにはカバンを持った風花の姿があった。
綾菜とは風花の妹の名前だ。
小学生くらいまでは何度も一緒に遊びに行った事がある。
今中学2年生だ。
「風花は泳ぐのが好きなんだな。海でも思いっきり泳いでたもんな」
耳元でそんな呟きが聞こえて、俺は城の頭をはたいた。
男の気色悪い囁き声なんて聞きたくない。
「今度誘えよ」
俺が言うと、城が「はぁ!? できるわけねぇだろ!!」と、慌てたように左右に首を振った。
風花とは幼馴染なんだから、誘うくらいどうってことないだろうが。
そう言いかけたけれど、城にとっては険しい道のりがあるのだと思い、言わないでおいた。
「城、これから時間あるか?」
「あぁ。あるけど?」
首を傾げる城を誘い、俺は屋上へと向かった。
そんな声が聞こえて来たのは放課後だった。
視線を移動させるとそこにはカバンを持った風花の姿があった。
綾菜とは風花の妹の名前だ。
小学生くらいまでは何度も一緒に遊びに行った事がある。
今中学2年生だ。
「風花は泳ぐのが好きなんだな。海でも思いっきり泳いでたもんな」
耳元でそんな呟きが聞こえて、俺は城の頭をはたいた。
男の気色悪い囁き声なんて聞きたくない。
「今度誘えよ」
俺が言うと、城が「はぁ!? できるわけねぇだろ!!」と、慌てたように左右に首を振った。
風花とは幼馴染なんだから、誘うくらいどうってことないだろうが。
そう言いかけたけれど、城にとっては険しい道のりがあるのだと思い、言わないでおいた。
「城、これから時間あるか?」
「あぁ。あるけど?」
首を傾げる城を誘い、俺は屋上へと向かった。