血まみれ椿姫
リビングから聞こえて来ていたテレビの音も、いつの間にか聞こえなくなっている。


両親はもう眠ってしまったのだろう。


俺も明日学校がある。


そう思いゲームの電源を落とした。


長時間同じ体勢でいたため体が痛くて、立ちあがって伸びをした。


すると自然とあくびが一緒に出て来た。


そのままベッドへと向かい……。


「椿のように散って死ね」


……は?


一瞬聞こえたその声に俺はその場で立ち止まった。


『椿のように散って死ね』


今、確かにそう聞こえた気がしたけれど……。


周囲を見回して見ても、当然誰もいない。


気のせいか?


ゲームのし過ぎで疲れてしまったのかもしれない。


そう思い、ベッドにもぐりこんだ。
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