血まみれ椿姫
「隠さなくてもいいだろ? 相手誰なんだよ?」


「だから、好きな子なんていないっつうの!」


仮に本当の事を言えば、城が俺に遠慮するのが目に見えている。


「嘘付け! 俺も好きな子がいるからお前の反応見ればわかるんだよ!」


そう言い、城は花火の火をこちらへ向けて来た。


「うわ、なにすんだよ、あぶねぇな!」


咄嗟に火をよけて城を睨む。


城はニヤニヤしながら俺を見ている。


「お前が素直に言わないからだろ」


「だから、好きな子なんていねぇって!」


そう言い返し、俺はヘビ玉に火を付けた。


周囲は一気に煙に包まれ、風下にいた城がむせた。


俺は煙に隠れながら大声で笑った。


俺は、お前との関係も風花との関係も壊したくないんだ。


逃げてるだけだって思われてもいい。


高校3年間お前らと一緒に過ごしていたい。


それだけなんだ。
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