ありがとうの花束を
いつもと変わらないお昼休み
私とさくちゃんがお弁当を食べていると、
「そいえばさぁ、昨日のあれやばかったよな」
「あ、雪斗と葵だろ?」
「そう。葵結構痛そうにしてたもんな」
「ひょっとしたら靭帯いってるかもな〜〜」
「たしかに」
な、んだろ。
今 雪斗って聞こえた気がしたけど。
「も〜〜も〜、これ食べてよう」
「へっ!?」
さくちゃんに話しかけられたので
ぼーっとしていた事に気付いた。
少し嫌な予感がした。
でも私の勘はよく外れるから、
気のせいだよね。
「さくちゃんトマト嫌い直さないと、ニキビできるよ?」
「え〜〜、でもまじで、トマトは無理なの」
「しょーがないなぁー」
「ありがとっ ♪」
いつもさくちゃんのお弁当にトマトが入ってるときは
このくだりになる。
私のお弁当にピーマンが入ってたら
さくちゃんが食べるという交換条件つきだけど。
お昼休みが終わる頃には
嫌な予感も忘れてしまっていた。