秘密の糸Season1㊦
第61話けじめ
【円花】

私と秀兄ちゃんはあの後、カフェで色んな話をした。


そしてしばらくしてお店を出た。


「じゃあな、円花。…元気でな。」


その時、秀兄ちゃんの目はこれまでに見たことない優しい目をしていた。

「うん…。秀兄ちゃんも元気でね。」

「ああ。」

そして秀兄ちゃんと私は別れた。



私と秀兄ちゃんは幼なじみの関係に戻った。



そして私は自宅に向かって歩いた。


秀兄ちゃんと和解は出来た。


だけど…まだ肝心の晋ちゃんとの事は解決していない。

何も…。

まだ…

私はバッグからスマホを取り出した。

そして通話履歴を開いた。

押そうとしたその時


指が震えた。


怖い…。


晋ちゃんの声を聴くのが怖い…。




今回は…前の時とは違う…。


そんな簡単に私の中では切り出せなかった。


そして私は、スマホをバッグにもう一度戻した。



その日は結局まだ、勇気が持てずにいた。


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