秘密の糸Season1㊦
「…もう大丈夫なのね?」


「…うん。心配かけてごめんね?その…晋ちゃんとも」


「何言ってるの!あんたが謝る事なんてないんだから!」

「でも…」


「子供がそんな事気にしなくていいの!…ってもう20歳か。でも結婚するまではあんたは私のたった一人の娘だからね。晋一君の事は気にしないの!」

「…お母さん。」


お母さんは強いと思う。


でも、私は20年間お母さんの娘をしているから分かる。

本当は

強がっていることを…。

あんなに仲良かったんだもん…。

私のせいだ。

私が晋ちゃんとの家の中を壊したんだ。

あんなに昔から一緒にいたのに…


簡単に契れた。


絆って

切れるのは一瞬なんだ…?

(ごめんね、お母さん…。)


私は心残り中で何度も謝った。

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