秘密の糸Season1㊦
「とりあえず、今日は団体で帰りましょう。
何かあってからじゃ遅いわ。
撮影が終わったモデルさん達は、須藤さんの車で各自送って貰って下さい。良いわね?須藤君。」

「はい、分かりました。」

「それじゃあ、気をつけて。お疲れ様でした。」

「お疲れ様でしたー!」

そして、ウチを入れて5人のモデルが須藤さんの車に乗った。

久々の須藤さんの車…。

けどこれはもうウチだけのんじゃない…。

「では、近い方から順番に送って行きますね。」

「はーい♡お願いしまーす!」

そして須藤さんは運転を始めた。

後部座席では、モデルの女の子達が須藤さんについて話し初めていた。


「須藤さんかっこいいよね〜。」

「ね〜♡」

その時、一人のモデルの子が運転中の須藤さんに声を掛けた。

「須藤さん、独身なんですか〜?」

「…結婚してますよ。」

「なーんだ…。」

「まあ、そりゃこんなイケメン売却済みだって~」

「まあ、そーだよねー。」

「良いなあ~奥さん羨ましい~」

「きっと美人だよね!ね、盟加ちゃんもそう思うでしょ?」

「えっ…。」

(…何でウチに聞く!?)

「そ、そうですね…。」

ウチは咄嗟に誤魔化した。

「いやいや皆さんも美人じゃないですか。」

「え~須藤さんったら~」

「はは。」

こんなのリップサービス

私達は商品。


そう…これが現実。

ウチは須藤さんの彼女になれない。

須藤清羅には所詮、叶わないんだ。

そして須藤さんは順番にモデルさんを送って行った。

「ありがとうございました♡お疲れ様です♡」

そして…とうとう最後ウチの番になった。
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