秘密の糸Season1㊦
「……。」

「……」

久々に二人きりなったから何を話せば良いか分からない…。

そして思わず無言になってしまった。


出会って、初めてこの車に乗った事を思い出した。


零士から助けて貰って、何度もこの車に乗った。


…初めて助手席で自分の夢を話した。


あの時は仲間が出来た気がして嬉しかった。

でも

ウチの中ではいつのまにか仲間からとは違う感情。

…異性として初めて恋をした。

…初恋だった。


けどそれはもう前の事…。


いつまでもそれを引きずっている訳には行かない…。

今私達の間には見えないけど線がある。

その時、新堂さんが口を開いた。

「久々ですね、一緒に乗るの。最初の日思い出しますね。」

寄りにもよって何で今その話…。


やめて…思い出させないで…。


ウチは心の中で呟いた。

「…そうですね」

そして、その後ウチらは何も話さなかった。

車内の中は冷たかった。

それはウチが冷たくしたから…

二人の間には、もうぬくもりなんてない。

今のウチらは編集部員とモデルの

ただのその関係…。

しばらくして、自宅に着いた。


車から降りようとしたその時、

「送ってくれてありがとうござい…」


「…須藤さん何かあったんですか?」

須藤さんが口を開いた。

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