秘密の糸Season1㊦
「…盟加」

(ウチの名前…。)

「円花とはもう終わったんだ…。
けどもう、俺は決心したんだ。」

「…決心…?」

「円花に振られた後、俺はその時、全然ショックじゃなかったんだ。」

「…え?」

「出てくるのは、いつも頑張ってる君の姿だった。
俺は、君を好きになっていたんだ。
ずっと…。
考えているうちにその気持ちに気づいた。
でも、君を巻き込みたくなかった…
だからこそ、普通にしているのが一番だと思ってた…。」

「…何それ。」

「今更でごめん…」

(本当だよ…)

「…ウチで良いの?」

「うん」

「元ヤンだし、口も悪いし、ガサツだよ?」


「うん、それも含めて全部君が好きだ。」


ウチは須藤さんに抱きついた。


須藤さんはウチをギュと抱きしめた。

「これから君を巻き込んでしまうかもしれない…。
でもちゃんと離婚する。
だから…側にいて下さい」

一瞬、何が起きたのか分からなかった。

これは夢?

ううん夢じゃない。

須藤さんの腕の感覚がしっかりと分かる。

お互い両思いだったんだ。

「…ウチはどこにでもついていく!」

「…盟加ありがとう…。待たせてごめん。好きだよ盟加。」
そう言って須藤さんは、ウチにキスをした。

優しいキス。

こんなにも幸せだなんて…。

「んっ…。」

そしてウチらは何度も唇を重ね合った。


強引な…でも少し優しいキス…。


須藤さんのキスは溶けるように甘かった。


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