秘密の糸Season1㊦
運転中、円花が口を開いた。

「まさか雪都が運転出来るなんて意外だった〜!!車持ってたの?」

「ああ、18から一応免許は取ってる。
車はまだ持ってないから。これは親父の
たまに…梨絵」

梨絵の名前を出したその時、俺はおとついの事を思い出した。

「…雪都?どうかした?」


(何やってんだ俺…。円花を心配さして…。)


「いや、何でもない。車買ったら円花を一番に乗っけてやるからな。」


そして俺は咄嗟にごまかし、話を切り上げた。



「へへ、ありがとう」


そして、しばらくずっと会話していたその時、


いつのまにか車が渋滞していた。



どうやら近くで事故があったらしい。


「うわ…マジかよ…。円花どうする?」


そう言って横を見ると、いつのまにか円花はスヤスヤ眠っていた。

「…寝てたのか。」

昨日から俺の為に色々と準備してたんだろうな…。


そう思うと更に愛しい気持ちと同様、心が傷んだ。


円花が俺を大切にしてくれていた時に俺は…。


「…ごめんな円花。」


そして俺はそっと寝ている円花にキスをした。
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