秘密の糸Season1㊦
部屋に戻ると、布団が縦に2枚くっついて敷かれていた。


「ふー。疲れた」


俺はそう言って、円花を抱きしめ布団に倒れた。

「わ!雪都!」

「はは!」

「もう、布団皺になるよ?」

真横では、愛しい大好きな円花が寝ている。

「円花」

俺は円花の頬を触った。

「なあに?」

そしてキスをした。

チュ

「不意打ちキス。」

「え?」

いきなりキスをされたからか円花は驚いていた。


そして俺は起き上がり、円花を下にし結んでいた髪を解いた。

パラ

(髪延びたな…。)


それだけ俺達は一緒にいたんだ。


初めて会った頃は、まだ円花は19で髪はショートだった。

いつのまにか、時は過ぎていたんだ。

喧嘩ばっかして、別れそうになった事も何度かあったけど…。


「雪都どうしたの?」

「円花」

「ん?」

「これからも俺は大事にするから。」

「うん!私も」

そう言って円花はニコッと笑いながら、大きい黒目を潤せていた。

さらに愛しいと思った。

そして俺は再び円花にキスをした。
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