秘密の糸Season1㊦
「よし…!」

メイクをして貰ってから、スタジオに入った。

ガチャ

その時、須藤はスマホを見ていた。

ウチはすぐさま須藤さんに声を掛けた。

「…おはようございます。」

「あ、武藤さんおはようございます。」

そう言って須藤さんはウチに目線を向け、ニコッと笑ってくれた。


久しぶりに見た須藤さんの笑顔。


胸がキュッと締め付けられた。


ウチはすぐさま謝った。


「あの!…この前はあんなことしてごめんなさい…!」


その時、須藤さんはキョトンとしていた。


「ああ、別に良いですよ。気にしてませんから。」


《気にしてませんから》


そう言われた時、何かが崩れおちた。


何だろう…。


とてつもなく嫌だった。


「そ、そうですか…。」

その言葉がすごく、ハンマーで殴られたみたいにショックだった。 

「武藤さーん!お願いします」

「あ、はい」

スタッフに呼ばれ、そしてウチは撮影に入った。
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