秘密の糸Season1㊦
「…彼女が飛び出した時、信号は赤だった。その時車に轢かれて即死だったの…。駆けつけた時にはもう…遅かったの。そして自殺で片付けられたわ」

「…そんな…。」

「私は…すごく後悔した。
彼女は私の大事なたった一人のモデルの子だった。
…なのに
私は彼女の変化も、何も気づけなかった。
全力でサポートするとか、守るとか言っときながら…
何も…何も彼女の事見ていなかった。
悔しい…何であいつは平然としてるの?
彼女を殺したのも同然なのに…」

「…宮近さん。」


「…須藤さん。」


「…はい」

「私は彼女を最後まで守られなかった。
だからこそあなたは私のように後悔して欲しくない」

「…」


「大切ならちゃんと、傍にいてあげて!
全力で守ってあげて!
モデルを守る
それが、私達の仕事だから!」

俺は背中を押された気がした。

「はい!」


「おー須藤ちょうど良かった。
今からこの書類…」


「すみません!編集長!明日やります!」


「あ、おい!須藤!!」


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