秘密の糸Season1㊦
須藤さんが帰って行く車を後ろから見つめていたその時

「あっ…」

ジャケットを返しそびれた事に気づいた。

「ジャケット…」

ウチは肩に掛けられたジャケットを見つめた。

今日、本気で怖かった

自分のした事がバカだったって事


嫌でも思い知らされた。


初めて誰かにあんな、ハッキリと叱られた。


須藤さんが本気でウチを心配してくれていた。


そう思うと、嬉しさと切なさが込み上げてきた。


ジャケットを肩に掛けられたその瞬間、


(あ…フローラルの香り)





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