秘密の糸Season1㊦
ガー


「…んで。」


「え?」


「どうかした?谷口さん」


「え?」


「目から涙出てるよ」


「…え。」

本田さんに言われ、あたしは目を触った。


(…本当だ。)


「…どうしたの?大丈夫?」

「あ…えと…多分マスカラが目に入ったんだと思います!」

あたしは咄嗟に適当に嘘をついた。


…私情を職場に持ち込むのは違うしね…。

「…そう?大丈夫?」


「はい!マスカラ変えないとダメですねー
すみませんでした!
もう大丈夫なので!」


そしてあたしは仕事に戻った。


…何で三田倉さんなの?

あんなにかわいい子に勝てるわけがない

どうせなら、あたしの知らない人と付き合って欲しかった…

三田倉さんはズルい、

あたしにないものをたくさん持ってる

雪都さえも…

簡単に持っていく





< 68 / 146 >

この作品をシェア

pagetop