秘密の糸Season1㊦
「おはようございます!野上さん!」

「盟加ちゃんおはよー!聞いたよ!読モランキング1位だったんでしょー!」

「はい!」

「おめでとうー!嬉しいー!盟加ちゃん頑張ってたもんねー!」

この人達のおかげでウチは輝けるんだ。

「野上さんのおかげですよ!」

「え〜嬉しい!ありがとう!」

正直、モデルをしていて辛いこともあった。

何も知らないままこの世界に飛び込んだから全然分からない事だらけだし

給料も専属モデルよりは少ないし

未だにカメラに慣れない時はあるし

表情だってまだまだ硬い

モデルを名乗るにはまだまだ早い

…けど

今は

そんな事よりも

輝かせてくれている人達に恩返しをしたい。

この人達を悲しませたくない。

気づけばウチはこの仕事が大好きになっていた。


「…盟加ちゃん?」

「野上さん、いつもありがとうございます!これからもよろしくお願い致します!」

「…うん。よろしくね。よしじゃあ行っておいで」

「はい!」

そしてウチは撮影スタジオに向かった。
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