一番そばに。
眠そうな声を出しながら、さも当然かのようにそう言うのだった。





それにしても…





「今日、どうして来たの?」



大河が私の家に来る時は大体暇な時くらいだ。

だけど今日は、大河の両親が旅行に出かけていて、一人で家事をやらないといけない大河に暇などある筈もないのだ。

なのに、どうしてーーー



私の問いかけに、大河は、さぁ?と言って、また目を閉じた。



「もぉ!」



私は大河の頭を、コツンと叩く。



「………聞いたから」


「…ん?」



布団に篭っているせいで、声が聞こえない。



「…梓羽が」



布団をスッとどかし、大河の綺麗な顔が見えた。


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