一番そばに。
そんな私に気付いた大河は、まるで最悪、と言ったような顔をして、



「…え、なに、盗み聞き?」



不機嫌に訊ねてきた。


私は必死に首を横に振りながら、



「ち、ちがっ…。大河を呼びに行こうかなぁって思って…そしたら…」



なにも違くはないのだが。



「故意に、じゃないってわけか」



そう言うと大河は、またいつものように眠そうな顔をしながら欠伸をした。





コイツは本当に…

自分が告白されて、しかも相手の女の子が泣いちゃったっていうのに、どこまで呑気なんだ……





私が呆れた顔をしていると、大河が静かに近付いてきた。


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