一番そばに。
「…はっ、あずはっ!」





…どこかで聞き覚えのある声。

耳障りが良くて、本当に安心する声。

低くて優しい……

あぁ、これ、大河の声だ。


あれ、大河、告白断ってたっけ?

良かったぁ…

え、なんで私、安心してるのーーー?


もし、大河に彼女ができたらーーー

私は、私は…





「……大河の…隣…」





隣にいられなくなっちゃうのーーー?





頬を暖かい何かが包んだ。

まだ頭はボーッとするけど。


私はうっすらと目を開けてみた。



「…大河」


目の前には大河が。

私の頬には大河の手が添えられていた。


心做しか、大河の顔が赤い気がする。



「…熱あんの?」



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