一番そばに。
門の影から大河が出てきた。



「大河?どうしたの!夏祭りは?」



ひどく驚いた顔をした私に大河は呆れ顔をしていたが、



「梓羽と行こうと思って…」


「…っ!」



ボソッと呟いた。

確かに毎年当たり前のように幼馴染の大河と夏祭りに行っていた…

けど。



「好きな子いるって言ってたのに…?好きな子誘わなきゃダメじゃん!……私は誘えなかったけどさ」



大河には好きな人がいるはず。

私は氷室くんを誘うことはできなかったけど、一昨日話しかけてもらえただけでもう幸せだった。



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