一番そばに。
それを聞いた大河は、チッと短く舌打ちして、



「…だから梓羽を誘ってんだよ!」


「……っ!?」



グイッと勢いよく腕を掴み、早歩きでお祭りの会場まで進んでいった。





だから…って

だからって何なんだろう…?





大河の言葉が分からないまま、付いていき、気がついたら…



「ほら、ついた」


「…わぁ!」



会場に近い小高い丘に着いていた。


時刻は8時。



「よしゃきた、グッドタイミング」


「へ?」



大河のその声と同時に花火が上がった。



「…綺麗」



屋台の多い所じゃなくて小高い丘に連れ出してくれたのも、花火のためーーー?



私は大河の方を見た。


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