一番そばに。
花火が全て打ち上げられ、あたりが一瞬静かになった。

静寂の中、私の心臓の音だけが激しく響く。





今さっきのはーーー

何ーーー?





私は大河の方を見れずに、俯いてしまった。

気まずい空気が漂う。


好き。
それは分かる。
私も好きだから。
でもそれは、幼馴染としてでーーー



「…ごめん。……帰るか」



突然スクッと立ち上がった大河の声が上から降る。



「…うん」



私はまだ鳴り止まない心臓に手を当てて、立ち上がり、そのままゆっくり大河の後について歩いていった。





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