好きあらば、君だけ
魁は私をずっと好きでいてくれた。
このキスに答えないでいたら罰当たる。
「 舞… 舞…… 舞っ…… 」
魁の声が、私を抱きしめて響く。
「 好きだ 」
魁……
「 もう、俺だけ見てよ… 俺だけにキスさせて…… 俺だけに抱かれてよ…… 」
魁ってば。
「 大事にする…… 俺はこの先も舞しかいらない 」
「 魁… どんだけ好きなのよ 」
バカはあんたよ、魁。
「 好きだよ、マジで… 」
「 うん、わかった。魁の、魁だけの女になってあげるから 」
「 え… 舞? 今のほん…」
うん、ほんと。
ほんとだから…… キスさせて。
「 舞… 」
「 えっ、ちょっと… やだ、なんで?」
魁は私からのキスに、涙した。
長年の片想いが実ったと、感極まったらしい。
よしよし、撫でる魁の髪にさえ愛おしさを感じてしまう。
ただ…… 今ちょっと、体制が悪い……
ともかく男女で、大人で……
魁は私を抱きしめ好きすぎて、危ない。
「 舞…… 」
「 ダメよ!」