好きあらば、君だけ

魁は私を守る… 人みたいに側にいて世話を焼く。

嫌じゃないし、むしろ助かる。

でも、気になる……

もう子供じゃないから尚更、気になる。


あの日の告白から、魁の私への気持ちに変化があったのかどうか。



「 舞、うち来いよ、飯作ってやる 」

「 外で済ませればいいよ 」

「 節約しろよ、女だろ 」



うるさいっ



「 舞、目見せて 」

「 え~…っ… 」



グイッと、まぁ優しめに私の片頬を手で向かせられ魁に覗き込まれる。

あまりに近すぎて、私は魁の顎を手のひらでググッと押し退けた。



「 近いからっ 」

「 お前、ひでぇ 」



ひどくないし!

だいたい、魁は…… 私に近いの、何でも。

いつも、近いの。



今でもあの時の告白を覚えてる。

魁は… 今、私を好きなんだろうか?

でもそれは聞けない質問。


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