好きあらば、君だけ

指、1本ずつ… 優しいマッサージ……

私の指を滑るように触る。

それが気持ちよくて、魁を見ると目が離せなくて……

勝手にドキドキして……

魁の目が私を見たら、もう……

心臓爆破。



「 私をバカって言わないで 」

「 はいはい 」



何、ほんと適当返事ムカつく!



「 もうネイルしない、離して 」

「 舞 」

「 離して、魁 」

「 ……嫌だね 」

「 なっ… え… わっ 」



魁が私の手を振り払って、両足首を持ち上げた。

そのせいで私は反動で床へ倒れ、頭打ち。



「 いっ… 痛いっ 魁!」

「 黙れ!」



魁の胸元の服を掴み体を起こそうとして逆に床へダンッと押さえ込まれた。

その力がすごくて……

改めて魁が男だってわかる。

力の差なんてわかりきってるのに……

私はつい抵抗する。



「 魁っ… 痛いってば!」

「 舞がいい加減バカだからだろ!」

「 は… またバカって言っ… 」

「 黙れって! いつまで待てばいい…… 舞、俺はいつまで待てば、俺の舞になるんだ 」




魁……?



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