好きあらば、君だけ

魁は私を真っ直ぐ見てるのに、悲しそうな顔をしてる。



“ いつまで待てば俺の舞になるんだ… ”



「 魁… 」

「 俺は舞が好きで卒業して会えなくなるより、言わずに俺の存在無しにされるよりはって告白した。
フラれるのはわかってたけど、好きだから…
あれからもずっと、俺は舞だけだ 」



魁……



「 近くにいて、周りは彼氏だと思うだろうから他の奴に取られないと思ってそばにいた…
なのに、俺に彼女? いるわけねぇじゃん!
お前が好きなんだからっ 」



心臓がもう、破れたんじゃないかって…

すごい衝撃だった。


あの時の告白以来、魁の心は恋から友達に変わったんじゃないかって……

魁を好きになってからは、魁の心を探ってた…



「 魁… ごめんね 」



私のこの言葉に、魁はどう解釈したのか……



「 嫌だ… 俺は舞しかいらない 」

「 え… 魁… っ、んっ…… 」



触れた瞬間優しいのに…… 奪われるってこんな感じかと。

こんなキスをする魁を……


私は知らない。



「 ん… 魁… ねぇ、っ……」



勘違い。

早とちり……


私のごめんね、それは魁の気持ちに答えられないって、そんな意味じゃない。


でも、魁と初めてのキスがたまらなく嬉しい……



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