一番の君。


進行役の教頭が私に目配せをする。


出番のようだ。


私はつかつかと歩いて行くと、
マイクを前に一礼する。


「こんにちは。
新入生代表挨拶をさせて頂きます、
中沢 泪(ナカザワ ルイ)です。本日はーー…」



「泪ちゃんだって!」
「泪ちゃん、かわいー!」
「こっちみてー!」


「…………。」



堂々たる冷やかし。
あっぱれ。

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