一番の君。


一緒に来た男に、
ソファに座るよう指示される。


リーダーの前に座ると
やはりと言うべきか、オーラがすごかった。


威圧感、存在感。

こういう人が上に立つのだな、
と妙に納得した。


凛は私の腕に捕まりながら、
視線をずっと下に固定している。

怖くて見れない、か。


ほんと、ごめんね。



「…どうしてここに連れてこられたか、分かるか?」



ハスキーな、それでもって少しだけ幼さの残る声が私に向けられた。


こんな状況じゃなきゃ、
いい声だって凛と話せたのにな。


「…分かっているつもりですよ。」
「…そうか。」


会話が途切れる。


< 44 / 56 >

この作品をシェア

pagetop