一番の君。


こういう時の沈黙は嫌い。

重苦しい、鬱陶しい空気。


「どうしたい?」
「……は?」


思わぬ問いに、ひょんな声が出る。


「二度言わせるな。」
「………。」
「………。」
「………。」



意味がわからない。
勝手にここに連れてきておいて、
どうしたいって…。

帰りたいに決まってるでしょ。
なんなら、一生関わらないでよ。


って言えたらいいんだけど。


そんな回答求めてないよね。


ここに連れてこられた理由を聞いたってことは、それに対する態度をこちらに求めてるってことでしょ?


そんなことは、言われなくても分かってるけど、どうすればいいかなんて、分かるわけないじゃない。


それよりも、ずっとガン飛ばしてきてる彼らをどうにかしてくれないかな。


チラリと見やると、視界の端に捉えていた小柄な少年が殺気を露わにする。


まぁ殺気とかよく分からないけど、
なんか悪寒が走った。




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