一番の君。
「……汀(テイ)。」
「…分かってる。」
リーダーが少年の名を呼ぶと、
不貞腐れたようにそっぽを向く。
その容姿同様、
声音も幼さが残っていた。
ショートの癖のかかったオレンジ髪が印象の、かわいい顔つき。
勿体ない性格かな。
なんて、男が可愛いなんて言われても嬉しくないか。
「…で?さっさと返事したらどう?」
痺れを切らしたように投げかけてきたのは、さっきからずっとプレッシャーをかけてきていたイケメンお兄さん。
ダークブルーの髪が肩にかかるくらいまで伸びている。手入れはそんなにされていなさそう。
でも汚い印象は受けず、
全身から滲み出るフェロモンが全てカバーしてくれてる気がする。
そして極めつけの…
貼り付けた笑顔に寒気がする。
リーダーの後に陣取り、
不機嫌そうに睨みつける。
下手なヤクザより、
こっちの方がよっぽど怖いかな。
「…理由は理解しています、ここに連れてこられた理由は。……でも、私はーー…」
ーーーガシャンッ!!