さよならくじら
教室から出ようと走り出した瞬間、誰かが腕を引っ張った。
それは......倖羽だった。

「なんでないてんだよ!」

「.......」

「お前は笑顔じゃないと似合わねーぞ。」

「.....そんなの嘘。」

「嘘じゃねー。」

「そんなこと誰にでも言うんでしょ!」

「.......」

「倖羽は優しいから誰にでも優しくするし、誰にでもそう言う。」

「そそんなことねぇー。こんな恥ずかしいこと言えんのお前だけだから。」

「なんで優しくするの?。優しくれたら、勘違いしちゃうじゃん。」

「かん違いすればいいじゃん。」

「えっ.......。」

「っ.......まぁ、笑顔じゃないお前はお前らしくないから、元気出せよ!」
そう言って倖羽は教室に戻って行った。
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