さよならくじら
図書室に向かうと、先に倖羽は待っていた。

「倖羽!待たせてごめん。」

「お!希咲!」

振り向きながら微笑む倖羽はやっぱりカッコイイ。

勇気をだして、
「はい。これチョコ!」

渡した。

「これ俺に?」

倖羽は少し驚いたような顔をした。

「うん!ちょっと味に自信はないんだけどー.....」

「..............」

倖羽からの言葉がなかった。。

気に入らなかったのかな?

それとも迷惑だった?


「ごめん。迷惑だった?」

「いや。びっくりしたのと、あっ.....その...嬉し過ぎて.......。」

迷惑がられてたと思っていた。

でも違ったんだ。

「気に入らなかったのかと思っちゃった。」

「ううん!そんなことない!すっごく嬉しい。ありがと希咲!」
「じゃ、ありがとな!俺部活行く。」


受け取って貰えた。それだけで良かったのに.....

嬉しいってまで言ってくれた。。

神様こんなに嬉しいことはありません。。


ありがと詩乃。

ありがと倖羽。

ありがと神様。

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