さよならくじら
「希咲.......あのさ、お前って倖羽のこと好きだろ?」

突然幸人が言い出したため私はすごく挙動不審になってしまった。

「ホント希咲って、わかりやすいよなぁー。」


「.......」



「でー、どこが好きなわけー?」


「別に好きじゃない.......あんな.......あんな冷たいヤツ。」


そう言うと幸人はすごく驚いたように、
「倖羽って人に冷たくしたりするんだ。いつもアイツ優しいから分かんなかった。」



「ううん。違う.......私が倖羽を変えちゃったの。」


「どーゆーこと?」


「私のせいで倖羽は、あんな冷たくなっちゃったの。。」
「私が倖羽にウザくしたから.......。」


「.......でも、俺よくは知らないけど、倖羽が冷たくする人って珍しいんじゃない??」


「倖羽は私のことを.......大っ嫌いなのよ。」


涙が溢れそうになった。




「じゃー、倖羽なんて忘れて、俺のとこ来いよ。」


そう言って幸人に抱きしめられた。



「でももうとっくに忘れてるよ.......」


「忘れてないから言ってるんじゃん。。」



「忘れてるよ!!関わりたくないって言われたから、関わらないようにしてきたし、見たくもないって言われたから、視界に入らないように生活したし。散々、忘れようとしたよ!」
「でも.......なぜか忘れられないの。。」


「俺が忘れさせてやるから。。だから、お前と付き合いたい。。
俺と付き合ってください」
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