さよならくじら

葛西深緑ハウス

「希咲ー!見てみて凄くない?海だよぉー!!」

相変わらず詩乃は元気いっぱい。

「ほらほら希咲もおよぐよー!」

「わかったよー。」


倖羽に見られるのは恥ずかしいけど.......


泳ごうとしたその時だ、足がもつれて転びそうになった。


でも誰かが私を支えてくれた。


倖羽だ。


いつもこういう時に助けてくれる。


「ごめん。ありがと。」


「もー。希咲はしゃぎすぎなー。」


「ごめん。楽しくって.......」


「水着.......似合ってんじゃん。」


「え。今なんて」


「だからー。その。水着可愛いじゃん。」



「あ、あ、ありがとう。」




「はーい。そこのおふたりさん!イチャイチャしてないで早く海入るよーー。」



それかはすごく楽しくて

今までの悲しみがなくなっていくように感じられて

今日、ここに来れて良かったって思った。
< 95 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop