1人の女子とゆかいな不良たち
それからどれくらいたったか分からない

ピンポンピンポン

チャイムの音で静寂が打ち切られた。

まさか、と思いつつドアを開けると、

「楓」

そこには陵が立っていた

「陵、ど、うして…お見合いは…?」

「楓からこんなメールもらって平然とお見合い出てられるかよ」

そう言って暑そうにネクタイを緩める陵

かっこいい…じゃなくて!

「そんなことしていいの?!陵の会社に何かあったら…」

「あぁ、まぁ母さんは激怒だろうなぁ…」

そんなことを呑気に言う

「でも、先方には丁重にお断りしてきた。」

「そういう問題じゃ…」

「だいたい、見合い断ったから関係切りますって会社ならこっちから願い下げだよ。まあ、それで会社に損失があってもいずれ継ぐのは俺だから。」

俺、優秀だし?とおどけてみせる陵に私は気が抜けてしまった

思わず涙が出てくる

「わたし、婚約の話聞いた時嫌だなって思った、けど、陵の家のこと考えたら自分のわがままだなって…それでもどうしても苦しくなって」

そんなことを言い出す私を陵はそっと抱きしめた

「ごめん、楓。そんな風に考えてくれてたとは知らなくて…でも、俺は楓と一緒にいたい。会社がどうとか、親がどうとかは関係ない。楓が俺を好きでいてくれる限り、俺は離さないよ?」

そう言って涙を拭ってくれる陵にドキドキした

陵の気持ちがちゃんと聞けてよかった…

私を励ましてくれた3人にもとても感謝した。
< 41 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop