1人の女子とゆかいな不良たち
「もうみんな寝てるし、大翔も戻って寝なよ」

「じゃあお前は?」

「へ?」

「おれがいま戻ったらお前はまた1人で泣くんだろ?」

「っ」

「おれがいる限りお前を1人で泣かせはしない。泣くならここでなけ」

そう言って自分の胸を叩く大翔

「なに、言ってるの…どうして、こんなことしてくれるの」

「おれもわかんねぇ…けど、お前はほっとけないんだよ」

そう言って微笑む大翔に抑えていた涙がまた溢れ出した。

「だから、泣くならここって言ったろ?」

そんな私を大翔は抱きしめそんなことを言った。



私は泣きながらも、大翔の言葉が頭から離れなかった。











楽しい時間も終わり、帰らなければいけない時間になった。

「帰りは何で帰るの?」

「電車に決まってるだろ」

こんなすごい別荘を持っているけど行き帰りは普通なんだなぁと思った。

それを素直に大翔に伝えると、

「車で送ってもらおうとすると、親父に甘ったれんなって言われるから」

そう言って笑っていた。
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