1人の女子とゆかいな不良たち
扉が開いて入ってきたのは着物姿の男の人だった
「父さん」
雅楽がポツリとつぶやいた
「お前また遊んでるのか」
そう雅楽に放つ声はとても冷たかった
「すみませんお邪魔してます」
大翔が1番に立ってお辞儀をする
見習って私もお辞儀をした
「申し訳ないね、うちの息子の遊びに付き合わせて」
「いえこちらこそ勝手にお邪魔してしまいすみません」
「やはり大翔くんは出来のいい男だな」
そう言って大翔の肩をたたいた雅楽のお父さんはふとこちらを向いた
「君は?家に来たことないよね?」
「あっはい、石田結愛です、お邪魔してます」
「へぇ」
私をじろりと見る雅楽のお父さん
すかさず雅楽が隣に立ってフォローしてくれた
「父さん、結愛ちゃんはここにお手伝いさんとして働いてた結さんの娘さんなんだ」
「母がお世話になりました」
そう言ってお辞儀をして顔をあげると驚いた顔をする雅楽のお父さんの顔があった
「あいつの、娘...?」
そう呟いた雅楽のお父さん
すっと周りの空気が冷たくなった
「お前が、あいつが頑なに会わせなかった娘か」
「父、さん?」
「あいつは今どこで何してる」