1人の女子とゆかいな不良たち

空気が、怖い...

「母は3年前に病気で亡くなりました」

「亡くなった...?じゃあお前今一人暮らしか?」

「はい」

なんでお父さんの事は聞かないんだろう...

「じゃあ家で暮らしなさい」

「え?」

雅楽のお父さんの言葉に耳を疑った

「は?おい父さん、どういうつもりだよ、急に」

「急にではない、6年前と同じだ」

「6年前...?」

「じゃあなんで6年前にそんなこと言ったんだよ」

そう問いかける雅楽の顔にも戸惑いがあらわれていた

「それは」

ゴクッと息を呑む









「それは、結愛、お前の父親が俺だからだ」










雅楽のお父さんの言ったことが理解できない


雅楽のお父さんが、私のお父さん...?


理解できていないのは雅楽も同じだった


「どういうことだよ、結愛の親父さんが父さんだって?」

「あぁ、そうだ」

「なんで、どういうことだよ、理解できるように説明してくれよ」

「お前が産まれてから貴子、お前の母さんは俺に抱かれるのを嫌がった、だから結に手を出した、結果、出来たのがこいつだ」

お母さん、は、雅楽のお父さんの愛人、だったの...?

ガクッと膝が折れた

「結愛!」

咄嗟に大翔が支えてくれた

次の瞬間、雅楽が飛び出して雅楽のお父さんの胸ぐらをつかんだ

「雅楽、やめろ」

陵が冷静に雅楽を止めようとするが雅楽には全く聞こえていなかった

「ふざけてんのか!どういうつもりだよ!結さんに手を出した?身ごもらせた?何やってんだよ!!」

「ふざけてるのか?それはこっちのセリフだ」

がっとつかまれた腕を離した雅楽のお父さん

「俺に何の話もせず勝手に産みやがって、こいつがいる事を知った6年前、こいつをここに住まわせろと言った時も拒否して出ていきやがって」

「お前、ふざけんなよ!!!」

雅楽の怒りはピークに達していた

雅楽の怒りのせいか、私はひどく、怖いほどに冷静になっていた

「でも、本当に血が繋がってるんですか?」

「どういう意味だ」

「だって雅楽のお父さんがお母さんに手を、出したのは1度だけですよね?」

「そうだ」

「だったら他の人の可能性も」

「それはない」

私の言葉を遮って雅楽のお父さんはそう言った

「6年前、お前はDNA鑑定を受けた、間違いなくお前は俺の娘だ」

"俺の娘"

その言葉に思わず体が震えた

こんな人が、私のお父さん...?
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