1人の女子とゆかいな不良たち
「今の発言はお前の母親に失礼だ」

「え?」

「今まで母親がお前に向けてくれてた愛情を否定すんのかよ」

「お母さんの、愛情?」

「一緒に暮らしてて感じなかったのか?」

そんなことない、と首を横に振る

「私はお母さんに愛されてた」

「そうだ、お前はちゃんと愛されてんだよ。産まれなんて関係ねぇんだよ」

「うん、そうだよね」

大翔の厳しくも暖かい言葉に励まされる

「私はいらない子なんかじゃないよね」

そう言うと大翔はふっと笑って言った

「当たり前だ」

********

「さて、そろそろ帰るか」

大翔はそう言って立ち上がるとぐーっと伸びをした

そして携帯を開くと眉間に皺を寄せた

「まじかよ...」

「どうしたの??」

ため息をつきながら見せられたのは着信履歴

そこには"一条雅楽"の名前で着信が50件

「え」

「1時間も経ってねぇのに50件とかふざけてんだろ」

「心配かけちゃったかな」

「ま、とりあえず帰ろうぜ」

「うん...」

雅楽と顔を合わせるのは少しだけ緊張する

「雅楽と会うの緊張するか?」

ちょうど考えていたことを言われドキッとする

「なんで...」

「顔に書いてあるぞ」

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