1人の女子とゆかいな不良たち
その言葉に今まで抑えてきた涙がぶわっと零れた

「えっ結愛ちゃん?大丈夫?もしかして泣くほど嫌だった?」

そんなわけないと首を振る

「違う、嬉しいの、私の事受け入れてくれて家族だって言ってくれて、嬉しい」

そう言って笑った私を雅楽は涙をこらえたような顔をして抱きしめた

********

「それでさ、今後のことなんだけど」

しばらくしてみんなの元へ戻ると雅楽がそう切り出した

「結愛ちゃん、どうしたい?」

「どうしたいって?」

「父さんがうちに住めっていってたでしょ?もちろん俺としてはそれでもいいんだけど、急に一緒に暮らすのは抵抗あるよね?」

「まあ普通はそうだよね」

陵も相槌をうつ

私も一緒に暮らすのは抵抗がある、けどそんなこと言っていいんだろうか

「お前がどうしたいかが重要なんだからな」

私の目を見てそう言う大翔

わたしが、どうしたいか

「私、やっぱりここで暮らすのは抵抗あるし、あのマンションはお母さんとの思い出もあるから、ごめん」

そう言って頭を下げると、ぽんぽんと頭を叩かれた

顔を上げるととても優しく微笑む雅楽がいた

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