願わくば、君の幸せ
大好きな君へ
私にとって大切な誰か……
その誰かのために流した涙はどれくらいか。
今の私に涙はない。
ただ…… 深い思いがある。
私はずっと、アイツが好きだった。
鈴木 羽斗吏(ハトリ)は私の大好きな幼馴染。
この先も… ずっと。
「 羽斗吏~ スマホ落としたー!」
「 また… なんでお前はすぐ落とすんだよっ ちゃんとカバンに入れとくか手に持ってろ!」
羽斗吏は家がお隣さん。
ちなみにうちは2階建て、羽斗吏のとこは3階建て。
しかも羽斗吏の部屋にはロフトがある。
猪瀬 沙和、私の恋は絶対に…実らない。
「 沙和、どこで無くした?」
「 わかんない 」
「 ……あのなぁ そのボケ何とかしろよ、俺今日はデートなんだよ 」
……だからだよ。
羽斗吏はいつも誰かのもの。
私ではない、誰かのもの。
それがどんなに悔しくて辛くて、たまらないか……
羽斗吏は知らない。
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