願わくば、君の幸せ

悠平の言葉に質疑を問いたい。

でも、悠平は私が羽斗吏を好きって知ってる……


なんで?



「 ねぇ、どうして… 」

「 羽斗吏が好きって知ってるよ、だからあの時… バレンタインのチョコくれって言われてあげたんだ 」



嘘…… 私が羽斗吏を好きって知ってたから?

私が悠平を好きじゃないってわかってて受け取ったの?



「 悠平って、バカ… 」

「 バカは沙和だろ!」

「 なっ、あんたにバカとか言われたくないし!しかもそんな昔の話やめてよっ 」

「 やめるけど、とりあえず… 泣けば?」

「 は… 」



泣けば?って、何よ……

なんで私が泣くの…… っ!?



「 泣けばいいよ、今泣かないでいつ泣くんだよ 」



悠平が、私の頭に手を置いて…

その顔は優しくて、それに腹が立つのに……

突然、見てる悠平の顔が滲んで何もわからなくて……



「 いいよ、俺が隠してやるから 」



“ 大丈夫、泣きな ”



頭に置かれた手に引き寄せられて、悠平の胸元で泣いた。

小学生の子供がわんわん泣くみたいに、私は思いきり泣いた。



「 沙和… 泣くのやめたら、羽斗吏におめでとうって言ってやれ 」

「 い… 言ってやんないし、バカー!!」

「 沙和なら言える、羽斗吏の幼馴染だろ 」



だから、言わないって言ってるじゃん!



「 悠平嫌いっ 最低っ 」


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